生殖-内分泌制御とガレクチン

生殖-内分泌制御とガレクチン Galectins in the reproductive-endocrine system

卵管、子宮、膣などの雌性生殖器は、卵巣からのステロイドホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の作用をうけて、ダイナミックに形態変化します(図1)。

図1. 雌性生殖器の機能制御と卵巣ホルモン

私達は、galectin-1とgalectin-3は、卵管、子宮、膣において細胞特異的に発現し、性周期に伴いダイナミックに発現変動することを見い出しています(図2)。

図2. 雌性生殖器に発現するガレクチン

ヒトでは、子宮外妊娠に伴い卵管におけるガレクチンやシアル酸転移酵素の発現が変動することを報告しており、ガレクチンとリガンド糖鎖が、受精卵の着床メカニズムに関与することが示唆されています。

また、内分泌制御の中枢である脳下垂体にも、濾胞-星状細胞特異的にgalectin-3が発現することを明らかにしました。脳下垂体におけるgalectin-3の機能は不明ですが、ホルモン産生細胞の分化や増殖に関与する可能性が考えられます。

現在は、①着床のメカニズム(特に喫煙との関係に注目して)と②脳下垂体の機能制御におけるガレクチンと糖鎖の役割に注目して解析を行っています。

(子宮外妊娠におけるガレクチンおよびシアル酸の解析は、英国エジンバラ大学のAndrew Horne教授およびW. Colin Duncan教授との共同研究により実施しました。)

本研究に関する発表論文

  1. Fujiwara K, Tsukada T, Horiguchi K, Fujiwara Y, Takemoto K,Nio-Kobayashi J, Ohno N, Inoue K Aldolase C is a novel molecular marker for folliculo-stellate cells in rodent pituitary.
    Cell Tissue Res (in press)
  2. 小林純子: 着床メカニズムにおけるガレクチンとリガンド複合糖質の役割
    細胞 51:30-33
  3. Nio-Kobayashi J, Abidin HBZ, Brown JK, Iwanaga T, Horne AW, Duncan WC.
    Cigarette smoking alters sialylation in the Fallopian tube of women, with implications for the pathogenesis of ectopic pregnancy.
    Mol Reprod Dev 83: 1083-1091, 2016.
  4. Nio-Kobayashi J, Abidin HBZ, Brown JK, Iwanaga T, Horne AW, Duncan WC.
    The expression and cellular localization of galectin-1 and galectin-3 in the Fallopian tube are altered in women with tubal ectopic pregnancy.
    Cells Tissues Organs 200: 424-434, 2015.